弱点


ある時ふと思った。
ここには警察はいないんだろうか、と。
襲撃するタコに縦横無尽に飛び交う魚雷。
トリックスターワールドの治安が危ない。
そう思うといてもたってもいられなくなったボクは、 ゴーストブルーの平和を守るために、 近所で噂の露出魔を退治に出かけた。


まずは捜査の基本、聞き込みだ。
「この付近で怪しい男を見かけませんでしたか?」



話しかけただけで不当な賠償請求が。
都会とはおっかない所だ。


聞き込みを諦め町のはずれを歩いてると、 不意に誰かの視線を感じた。



振り返りたくない。

「え?なんでまだ春なのにノースリーブなの?」
「え?なんでもう秋なのにノースリーブなの?」
って毎年言われてる系か。

見るだけで煩い感じだ。逮捕。
警察ついでに裁判官もボクがやろう。有罪。
執行人もボクが。撲殺。


刑を執行しようとすると、ビルドアップされた体で凶器を振り回し、激しく抵抗してくる。
だが、格闘技というものは筋肉だけで勝てるほど甘いものではない。
格闘家として鍛錬を積んできたボクが、一つ優しくレクチャーしてあげよう。身をもって学んで下さいこのド変態。

まず、生き物には必ず弱点というものがあってね。
そこをいち早く察知し、的確に打撃を加えれば、どんな強大な敵も倒すに易しなんだよね。
わかりましたかこのド変態。

実践して見せましょう。
ボクの感知力(感覚1)を持ってすれば、弱点の察知なんてお手の物。




ここだぁーっ




確かな手応え。




あの世でちゃんと復習するんだよ。



この方法で変態を殴り続けていたら、それを見てたウサギさんから「変態!」って言われて申告されました。 おかしぃなぁ。



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