![]() イソギンチャク お前もか 火山で自分の修行不足を痛感させられたボクは、 次はおとなしく移動費の最も低いゴーストブルーと言うところに来た。 幻想的な音楽に珊瑚の並ぶ海底。 砂漠で乾いた素肌に、ひんやり湿度をもった空気が沁みた。 しばし周りを鑑賞し、修行の疲れを癒す。 しかし、前回あれだけの惨敗を喫したために、 そんなにのんびりはしていられない。 拳を磨き、強くなり、再びトカゲと戦うために。 ボクはこの地域のオブジョイトイを訪ねた。 どうやらオブジョイトイの話によると、 「アカメイソギンチャク」というモンスターを退治して欲しいらしい。 お安い御用、と引き受けた。 見つからない。 近くを散策して見つかるのは、 少年ジャンプの幽霊と露出狂、OVERもとい魚雷先生。 それに、この無駄に色気のある人魚。 ![]() 色香で旅人を破産させる腹積もりに違いない。 このポーズのために君の相手をしてると、 今のボクでは財布がいくらあっても足らない。 それにしても見つからない。 と、何回死んだかわからない頃に、 ボクに微笑みかける人があった。 ![]() フレンチメイドに導かれ、ボクは見知らぬ町に飛んだ。 そしてすぐそばのポータルに入ると、 イソギンチャクと思しき物体がうじゃうじゃと。 ありがとうフレンチメイド。 お礼にサインでもあげようと思ったが、 怪訝そうな表情を浮かべたのでやめた。 うなだれた肩を奮い立たせて、イソギンチャクに殴りかかる。 しかし、殴れど殴れど、出てくる名前は「メダマイソギンチャク」だ。 普通の目玉に用は無い、赤いのを出せ。 ボクは学習した。 こういう時のソリトンレーダー。 ![]() 捕捉。 ![]() 撃破。 手強いが、人魚ほどではなく、 しばらくしてボクは2匹のノルマを達成した。 達成感に包まれ、 笑顔でオブジョイトイの元に戻ると、 彼女は笑顔を返してこう言った。 「一回死んだらリセットされます。やりなおし。」 それまでボクを包んでいた冷たい海水が、ふと暖かくなった。 目元限定で。 |